コメの価格は13週連続で値上がりし、スーパーでも品薄状態が続いています。備蓄米の放出で、店頭価格は安くなっているのでしょうか。

政府の備蓄米が店頭へ「価格安定」のはずが…

午前8時半、岐阜市にある米卸売業者に、備蓄米およそ7トンが到着しました。こちらではあわせて36トンの備蓄米が入荷される予定で、あきたこまちとブレンドされ、今月中にも岐阜県や愛知県のスーパーなどで販売されます。

鹿児島県内のスーパーでは…

記者
「ありました。備蓄米がずらりと並んでいます。通常入荷分より100円安いということです」

安くなったのは100円…。それでも、少しでも安いお米を求めて、多くのお客さんがお店を訪れていました。

一方、神奈川県横浜市のスーパー。コメ売り場を覗いてみると、多くのコメが入荷されていました。

お客さんは…

70代
「2世帯分買った。場合によっては息子のところにも」

担当者も、無事にコメが入荷されてホッと胸をなでおろしていました。

しかし、こちらに入荷されたコメは備蓄米ではありません。

セルシオジャパン 食品バイヤー 久保田浩二さん
「現在、一切(備蓄米の)取り扱いがございません。仕入れ元の問屋さんの方で備蓄米の入札に関わるような状況にない。当店の方で扱っているお米には備蓄米は含まれない状況」

備蓄米は限られた卸業者以外からの入荷は見通しが立たず、コメの価格は下がっていません。

こちらの店では、きょうは特売をしましたが、来週からはまた値上げせざるを得ないといいます。

セルシオジャパン 食品バイヤー 久保田浩二さん
「(備蓄米が)安く販売できる価格での取引がされているというのは耳にしている。お客様が安く購入できるという部分のメリットがすごく大きい。安く仕入れられるというところが備蓄米であれば、本当に仕入れられるのであれば、仕入れたいなという気持ちは強い」

大手スーパーでも備蓄米の確保に苦労をしています。

ライフコーポレーション 岩崎高治 社長
「(確保した備蓄米は)我々の販売数量からすると、3日分くらいしかない。まだまだ量としては不十分で、価格が大きく下がるほどのインパクトはない」

食品スーパーのライフでは、お総菜などに使われる米の確保で年間およそ20億円のコストアップとなり、このままだと価格が下がることは考えにくいとしています。

政府は7月まで毎月、備蓄米を放出するとしていますが、私たちのお財布に優しくなるのはまだ先のようです。