困るのはアメリカ?中国が強気の理由

さらに上乗せされた関税について北京市民は。

北京市民
「物価は少し上がると思います。私は国産品を選んで、輸入品をなるべく買わないようにしています」
「(関税の引き上げは)クレイジーな行動ですね。アメリカ側のダメージも大きいと思います」

中国の84%の対抗関税は日本時間午後1時すぎに発動。中国も一歩も引く気配を見せていません。

中国はなぜ、ここまで強気なのか?北京支局の立山支局長の解説です。

理由は2つあると思います。一つは、関税の引き上げで困るのはアメリカの方だと考えていること。もう一つは、中国の国内事情です。

中国は第一次トランプ政権以降、アメリカに頼らない体制を作ってきました。

例えば、作ったものの輸出先をアメリカ以外の▼東南アジアやアフリカ、中東などに販路を広げる。また、▼「自立自強政策」という、食料自給率を上げたりすることで、海外の事情に左右されないようにするなどの対策を取ってきました。

一方のアメリカは、多くの日用品を中国からの輸入に頼っています。そのため、関税が上がって、物価が上がって困るのは、アメリカ市民の方ではないかと思っています。

アメリカは民主主義国家のため、市民の不満が高まれば、来年の中間選挙で共和党が負けるかもしれない。そんなところまで考えているかもしれません。

もうひとつの中国の国内事情ですが、アメリカに関税を上げられて、「わかりました」と簡単には引き下がれません。そんなことをしたら、弱腰だと国民から批判されてしまうという事情もあると思います。

Q.これから先はどうなるんでしょうか?
いまは強気の中国ですが、長きにわたる関税戦争を戦えば経済は疲弊します。中国の景気も決して良くはありません。本音は、「対話をして解決したい」と思われます。しかし、その対話はあくまでも、アメリカと中国が対等なものであるべきだと考えています。そのため、アメリカも、中国も、どっちも引けない、我慢比べのような状況に陥っていると思います。