色鮮やかな輝きを放つ、ピアスやネックレス。こちらは全て琉球漆器を使ったアクセサリーです。制作したのはアクセサリーデザイナーで、モデルとしても活動する伊敷ありささん。アクセサリーの材料は、数年前に閉店した老舗漆器店の職人が手がけたもの。素材を再利用するアップサイクルを通して新たな価値を創り出しています。

伊敷ありさ さん「素材自体が130年以上前のパーツもあるということで、細かい傷やくもりうのがあったので、油を使って布できれいに磨くところから始まり。どうやって組み合わせれば伝統工芸、先人たちが引き継いできたものを壊さずに敬意を持ちながら新しいものに変化させていけるかっていうところが葛藤しながら学びでした」

これまで海やサンゴなど沖縄の自然をモチーフにアクセサリー作りをしてきた伊敷さん。琉球漆器との出会いは去年、あるイベントにモデル出演したときに伊敷さんがデザインし、身に着けたイアリングが服飾デザイナーの山内光子さんの目に留まったことがきっかけでした。長年、琉球漆器をコレクションする山内さんは琉球漆器の魅力を若い世代に伝えてほしいと伊敷さんに声をかけたといいます。

山内さんの自宅には、琉球漆器がずらりと並びます。

服飾デザイナー 山内光子さん「先人の残した文化に感謝しながら、使わせていただいています。琉球漆器の名の下にあるものはほとんど持っていますね」

実は数年前、創業130年近い歴史がある漆器店がコロナ禍の影響で閉店し、商品を全て買い取ったという山内さん。長年、琉球漆器を使ったアクセサリーを手がけてきたことから、現在も買い取った素材を生かした新しい作品を生み出しています。

服飾デザイナー 山内光子さん「昔はバレッタが流行だったけど、今はバレッタではなくて新しい素材の使い方が出てきていますね。その時代の産物、あるものでアレンジしていく。それが今、SDGsという一つの大きなテーマが世界的に出ていて。捨てるものをちょっと待てよという感じで、それをストップかけて、これを何にいかせばいいのかなっていう。私はそれとの挑戦なんですね」

こうした取り組みは、SDGsの目標にもつながっています。