取材後、涙をこらえながら語り合い

筆者が毛利さんを取材したいと思ったのは、自身も高校時代、ひとり親家庭で過ごし、制服などの出費に大変苦労したからです。校章の刺繍が入った1足1000円の靴下でさえ高いと感じたことを今でも覚えています。

母も毛利さんと同じように裁縫が得意で、深夜にこっそりと靴下の穴や制服のほつれなどを何度も補修していました。

まるで母のような毛利さんの人柄に惹かれ、初めて会った2月。

3組の来客を見送ったあと、気づけばこれまでのことについて互いに涙をこらえながら語り合っていました。

取材をする中で印象的だったのが、リユースを選択した子どもたちの反応です。会計時に親が喜ぶ顔を見ては「安いね!」「お母さんよかったね」と家族みんなが笑顔で帰っていたことです。この活動をもっとたくさんの人に知ってもらい、活用してほしいと強く感じた瞬間でもありました。

制服の回収はトヨタカローラ富山全店や富山信用金庫(本店営業部除く)のほか、リユースショップさくらや富山店で行っています。

皆さんの不要なものが誰かにとって必要なものかもしれません。子どもたちの明るい未来へ制服というバトンを渡してみませんか。
(チューリップテレビ アナウンサー 島津有希)