大和の最期…運命を共にした戦友「お前ら苦しかったやろう」

西田さんは、大和の底にある配置場所につきました。
西田さんの手記より
「戦闘開始。雨天、曇天のため、主砲は打てない 一発も」
数百機のアメリカ軍機が大和に襲い掛かります。

西田さんの手記より
「戦闘中、大和の発令所の射撃盤の破裂。『上甲板二上ガレ』」
大和の沈没が避けられなくなると、「逃げろ」を意味する「上甲板に上がれ」と命令が出ました。西田さんは傾く大和の底から駆け上がり外へ出ました。
西田さんの手記より
「飛行機が機銃掃射しながら空襲。耳と目を押さえ、床に伏す。魚雷数発アタル。左へすごく傾く。速力も出ない。あぁ にげおくれた。沈む方へ飛び込む」
なんとか海に飛び込むも、沈む大和の渦に飲まれました。
西田さんの手記より
「もがけども上へあがってこない。母の顔が浮かぶ」
死を覚悟したとき、大和が爆発。その衝撃で、西田さんは海面に浮上したといいます。

西田耕吾 さん
「重油でな、顔が真っ黒けや。もうあがってきたら、目に顔から真っ黒け」
甲板のかけらにしがみつき救助を待ちました。およそ2時間後、駆逐艦に引き上げられ、助かりました。しかし、乗組員およそ3000人は命を落としました。
西田さんは、大和と運命を共にした戦友を忘れたことはありません。暗い海に眠る友を、早く引き上げてほしいと話します。
西田耕吾 さん
「お前ら苦しかったやろうな。おれは上がってきたけどな。なんとか、はよ引き上げてもらうように…」

戦後、大和での体験を語り継いできた西田さん。今を生きる人たちに伝えたいことがあるといいます。
西田耕吾 さん
「若い人たちにな、戦争は、二度としたらあかんということをやっぱり伝えたいな。戦争は二度と、もうしたらあかん」