トランプ関税は、私たちの生活にどう影響するのか。まず、動いたのが株価です。

岩井コスモ証券
「日本にはかなりきつめの税率で、株式市場が反応している」
「パニック的な売りになっている」

東京市場はきょう、全面安の展開に。日経平均株価は一時、1600円以上下落し、およそ8か月ぶりに、節目の3万5000円台を割り込みました。結局、1000円近い下落で取引を終えています。

さらに専門家は、今後、賃上げに悪影響を及ぼすと指摘します。

三井住友DSアセットマネジメント 市川雅浩氏
「企業の売り上げも低迷してしまって、業績が悪化すると。賃金低下、消費低迷、景気減速、負のスパイラルも起こりうる」

なかでも、影響を受けやすいのが自動車産業です。日本が輸出する車の3分の1はアメリカ向け。25%の関税がかかれば、アメリカ生産の車と比べて不利になるのは必至です。

国内の自動車関連産業には550万人が従事していて、給与や雇用にも影響が出かねません。

けさ、取材に応じたホンダの三部社長は…

ホンダ 三部敏宏 社長
「急激な変化は、我々にとっては対応する時間がない。非常に厳しい」

車には何万点という部品があり、関税の影響を正確に掴み切れていないと話しました。

商社のトップも…

三菱商事 中西勝也 社長
「アメリカと日本の関係だけではなく、世界中に伝播する関係なので、経済に不安定要素が出てくる」

専門家は、日本だけでもGDPを2.4兆円あまり押し下げると試算。

三井住友DSアセットマネジメント 市川雅浩氏
「他の国が報復関税に動けば、さらにアメリカが関税引き上げる流れになりかねない。世界的な貿易の流れが停滞して、世界経済が減速していく」

▼貿易戦争となれば、さらなる株安が懸念されるほか、▼賃上げの勢いに水を差すおそれがあります。▼一方、景気悪化に伴う「悪い物価安」に陥る懸念があるといいます。

石破総理
「私自身がトランプ大統領に直接話しかけていくということが適当であれば、全く躊躇するものではございません」

石破総理は直談判も辞さない構えですが、トランプ大統領の考えを覆す秘策は、今のところ、政府内からは聞こえてきません。