県内41市町村の様々な魅力をお伝えする「わがまちLink41」、今週の舞台は多良間村です。県内でも多良間島でしか見られない”ある光景”を取材してきました。

多良間島と水納島からなる多良間村。「八月踊り」や「スツウプナカ」などの伝統行事や沖縄黒糖の生産量、日本一の島として知られています。
▼與那嶺キャスター「わがまちLink41、初の多良間村にやってきました。今回は全国的にも珍しい島の人々の暮らしを守ってきたある光景を見に行ってきます!」
早速、その光景が望めるという島の西側へ…。案内してくれるのは、多良間村出身の農学博士、来間玄次さんです。
▼農学博士 来間玄次さん「あの林帯が“抱護”です。集落を囲んでずっと伸びております」
「抱護」。多良間島の言葉で「ポーグ」と呼ばれ、強い北風から集落を守るために植えられた林帯です。
▼農学博士 来間玄次さん「ずっと1.8キロ集落を巻いているわけですね。」
▼與那嶺キャスター「集落を囲うように林帯があるわけですか」
▼農学博士 来間玄次さん「集落を守るだけじゃなくて農地からすれば防風林でもありますよね」
▼與那嶺キャスター「もうすぐそばにはさとうきび畑もあるわけですからね、それも守っているってことですね。」
地形が平坦で潮風の影響を受けやすい多良間島。「抱護」は、防風林として集落や農地を守る役割を担っていますが、それだけではありません―。
▼農学博士 来間玄次さん「抱護があると、下が腐植していて透水性が高い、水持ちもよい。地下水の保全にも大きくつながっているわけですね」
川がなく水源が乏しい多良間島。雨水の蒸発を抑え、地下水を守ることにも「抱護」が一役買っています。

多良間村は、「抱護」を活用した環境に優しい農業を推進。その取り組みが評価され、去年、県内で初めて「日本農業遺産」に認定されました。
▼多良間村 伊良皆光夫 村長「村民の喜びであるし、村民の大きな誇りでもあると思っております」