高騰要因?“消えたコメ”どこに

井上キャスター:
備蓄米を放出したにも関わらず、コメの価格は全く下がりません。今後、価格は下がるのでしょうか。
政府は2024年のコメ集荷量が前の年と比べて約21万トン(約32億杯分)減少したと公表しました。一部の生産者、業者などが投機目的で在庫を抱え込む「売り渋り」が影響でコメが消えたと説明しています。
しかし、その後の調査で“19万トンのコメが分散”、つまり手元に残していたことがわかり、「消えていたわけではなかった」という説明に変わりました。
【3月31日 調査結果を公表】
コメの在庫(1月末時点・前年比)
・生産者9万トン増
・卸業者3万トン増
・小売り、外食業者など7万トン増
江藤拓 農水大臣は「先々の心配をしてコメを確保しようと少しずつ在庫を積み上げていった結果か」と結論づけました。
経済評論家 加谷珪一さん:
私はもともと農水省の“消えた米”という説明は正しくないと申していました。
私達が米を食べなくなり、生産量が毎年減っているなか、インバウンドでコメの需要が増えたので生産量が足りなくなったというのが最大の原因なんです。
あえて“消えた”というならば、小売店の場合「コメが売り切れでごめんなさい」といえるかもしれませんが、飲食店は「今日はご飯がないので定食は出せません」ってわけにはいかないですよね。
飲食店が多めに確保しようとするのは、商売上やむを得ないことだと思います。
これを「ちょっと抱え込んで悪いことをした」というニュアンスに捉えるのはおかしいと思います。根本的に生産量が足りていないのが最大の原因なんです。
井上キャスター:
しかし生産量を上げてくださいといわれても、コメ農家は年々減少しています。
肉乃小路ニクヨさん:
農業法人など規制の問題がありますが、もっと参入しやすくしたり、(稲作経営の)大規模化といったことを行うことも必要だと思います。
また気候変動も激しくなっているので、熱に強い品種を増やしたり、国で農家を保証するような仕組みも併せて行うべきではないでしょうか。