長崎県は県内で今年初の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」患者が確認されたと発表しました。飼いネコから感染した可能性があります。
70代女性が発症
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)への感染が確認されたのは、県南保健所管内(南島原市)に住む70代の女性です。
3月19日以降、食欲不振、全身倦怠感、血小板減少、白血球減少、紫斑などの症状が出てかかりつけ医を受診、県のセンターで調べたところSFTSウイルスが検出されたということです。
飼いネコから感染か
発病前、女性が飼っているネコが体調不良となり動物病院を受診、調べたところSFTSウイルスへの感染が確認されたことから、獣医が女性に対し体調不良に留意するよう伝えていたということです。
女性は入院しておらず、3月27日現在、病状は回復傾向にあるということです。
死に至る危険も
SFTSはウイルスを保有する「マダニ」にかまれることで感染し発症する病気です。潜伏期間は6日~2週間。主な症状は発熱、消化器症状で重症化して死亡することもあります。現在のところワクチンはなく、治療は対症療法が中心となります。
近年、SFTSを発症したネコやイヌの症例が確認されており、そこからヒトへ感染したとみられるケースも報告されています。県は今回の事案について、「SFTSを発症したネコから感染した可能性がある」としています。
予防策は?
県は以下のような予防策を呼びかけています。
▶「マダニ」に咬まれないよう、屋外活動時には長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を少なくする
▶帰宅後は入浴し、マダニに咬まれていないか確認する
▶ペットとの過剰な触れ合い(口移しでエサを与える、一緒に寝るなど)を控える
▶ペットに触った後は必ず手洗いを行う
▶ペットの健康状態に注意し、体調不良時は動物病院を受診させる
▶野生動物との接触を避ける