南海トラフ地震で最大12メートルの津波が最短49分で到達すると予想されている屋久島。

島の東側にある安房集落に暮らす廣瀬望さん、44歳。島でガイドをしています。

(廣瀬望さん)「(津波が来て)家が流されるのは嫌だけど、命さえあれば、なんとでもなるんじゃないかと思う」

妻と子どもの4人で暮らす自宅は標高15メートル、海岸から160メートルのところにあります。

(廣瀬望さん)「3か月に一回くらい見直しをしている」

奈良県出身の廣瀬さんは、中学生の時に阪神淡路大震災を経験しました。自宅には持ち出し用のリュック、寝室にはライトやサンダルを置いています。

(廣瀬望さん)「大きな地震があって、すぐに逃げなきゃいけない場合は、このザックを背負って逃げる」

自宅が津波で被災することも想定し、より標高の高い場所にある友人の家に、家族4人が3日間暮らせるだけの備蓄品を置かせてもらっています。

(廣瀬望さん)「一番過酷な状況で起こったときのことを考えて準備している。(Q.どんな状況?)外が土砂降り。真夜中。冬」

津波の際の指定避難所は、自宅から歩いて15分かかる標高52メートルの安房小学校です。

津波の際は、まず自宅から歩いて3分の場所にある標高40メートルの高台に一時、避難することを家族で決めています。スムーズに避難できるよう、避難経路も定期的に草刈りなど整備を行っています。

(廣瀬望さん)「考えたくないけど、今できるのは備えしかない。結局、命をつなぎとめる唯一の手段かなと」

その時、自分はどう行動するのか?住民の備えが続いています。