鹿児島県内で最大およそ1400人が亡くなると、国が想定した南海トラフ巨大地震。沿岸部の住民の備えなどを取材しました。

南海トラフ地震で最大震度6強、最大6.4メートルの津波が想定されている志布志市です。

(山本敏樹さん)「南海トラフが来たら、家も倒れるし、津波は来るし、火災は起こるし、どうしようもない状況」

志布志漁港近くに暮らす山本敏樹さん(73)です。去年8月の地震で、志布志市では震度4を観測。

JR日南線沿いのがけが、高さおよそ50メートル・幅30メートルに渡って崩れました。

(山本敏樹さん)「ここが線路。完全に埋まっていた」「次の地震があった時は完全に崩れる」

山本さんの自宅は標高3.6メートルの場所にあり、津波の際の避難場所はおよそ2キロ離れた高台の公園です。

南海トラフ地震で津波が最短46分で到達するとされている志布志市。市の防災計画では「原則徒歩で避難」となっていますが、山本さんのような高齢者は3~40分かかるといいます。

(山本敏樹さん)「高齢者がここからここまで上がって行くのは無理。その前には津波がくる」

山本さんは、今後も訓練などを通して、高齢者や要支援者のスムーズな避難について考えたいと話します。

(山本敏樹さん)「防災訓練があったが、津波が発生して、くる前にどれだけ逃げられるか。一年に何回か防災訓練をしたい」