春は、初めて運転するという人も多い時期です。初心者や転入者にとって、鹿児島は「路面電車」という、もうひとつのハードルがあります。市電と車の接触事故が増えている中、新たな取り組みも始まっています。31日朝、現場を取材しました。
(記者)「最近、市電が走る交差点で、路面にこのような表示があることにお気づきでしょうか?“電車注意”と書いてあります」

鹿児島市では今年度、市電と車の接触事故が昨年度より9件多い32件発生しました。その多くが、車が右折する際に市電と接触するケースです。
(記者)「午前7時。通勤ラッシュの時間帯です。交通量の多い新屋敷の交差点で、右折車がどのように待っているか観察してみます」
道路交通法では「車両は路面電車の通行を妨げてはならない」とあり、市交通局は軌道敷内に停車しないよう呼びかけています。しかし…。

(記者)「軽乗用車が右折しようとしています。前後電車が来るようには感じられないのですが、そのまま軌道敷の中に入って右折待ちをしています」
1時間に右折した60台のうち、およそ4割の23台が軌道敷に進入。中には、右折待ちをしている車のさらに右側を追い越して右折する車も…。
危ない場面もある中、ドライバーは?
(鹿児島出身・熊本在住)「(軌道敷の)手前で待ちます。怖いから」
(全国転勤経験者)「(右折待ちで)後ろから鳴らされることがある。早く行けという感じで。鹿児島はせかされることが多いかな」
(姶良市在住)「(友達の運転で)曲がろうとした時に見えてなくて、市電が。接触しそうになった」
市交通局は今年、警察と協議し、電車通りの交差点のうち6か所に“電車注意”の文字や白線を引きました。

(鹿児島市交通局・末吉健治課長)「以前よりは軌道敷内で停車する車が減っていると(運転士から)聞いている」
今後73か所全ての交差点に路面標示を増やす方針です。
(鹿児島市交通局・末吉健治課長)「特にこの時期、新たに免許取得した人や、転勤等で鹿児島に来た人など不慣れなドライバーも多くなるので、さらに注意喚起したい」