ドラマで再注目され、人気観光地としてもにぎわう長崎市の端島、通称・軍艦島。その静かな海に、かつての“戦場”の記録が残されていました。80年前の1945年、アメリカ海軍の潜水艦が撮影した数十秒の映像が、戦時中の軍艦島の姿と、そこに生きた人々の記憶を今に伝えています。
警戒する米海軍ー狙いは?

特徴的な形をした島の影。映像には周りを警戒する外国人男性の姿が記録されています。彼らはアメリカ海軍の潜水艦の乗組員です。見つめる先にあるその島は・・・

NBC長征爾記者:
「動画が撮られた海域のほぼ同じポイントに来ています。私の背後にはあの映像にも映っていた特徴的な形をした島が今も浮かんでいます」
映像がとらえた“戦時中の軍艦島”
長崎県の端島、通称軍艦島です。今から80年前、1945年6月の軍艦島の姿です。
長崎港の沖に浮かぶ世界遺産の島、軍艦島は、去年ドラマの舞台にもなり観光地としての人気がさらに高まっています。

観光客:
「ドラマとか見てたんですけども、すごく歴史を感じる」
観光客:
「端島に、日本の産業が支えられていたんだなというのを感じました」
かつての島民にあの映像を見てもらいました。石川東さん。石川さんは1945年、軍艦島の出身です。

軍艦島・元島民 石川東さん:
Qこれは端島ですか?ー「端島です。これが30号棟でこれが貯水タンク独特の形してるから」

映像に映る島の尖った部分、四角い影。これらは端島炭鉱の象徴だった「第二竪坑櫓」と「30号棟」と呼ばれる日本最古の鉄筋コンクリート製のアパートです。映像を見た元島民・石川東さんは、迷いなく「端島だ」と証言しました。戦時中の端島、軍艦島の姿です。
軍艦島・元島民 石川東さん:
「私の生まれた年の端島やからね」

狙われたのは島か、それとも──
軍艦島は、石炭採掘のためにできた人工の島です。炭坑閉山後住民が去り、いまは無人島ですが、最盛時には5200人が暮らしていました。その軍艦島の周りでなぜアメリカ海軍の潜水艦が行動していたのか?

軍艦島・元島民 石川東さん:
「潜水艦から魚雷3発受けたそのくらいは話、聞いとったね」