本格的な衣替えの時期となりクリーニング店もかき入れ時を迎えています。クリーニング業界もコロナ禍で打撃を受ける中、今年、愛媛県新居浜市に本社を置く会社が生き残りを懸けあるサービスを始めました。その戦略とは…

愛媛・香川・徳島に店舗を展開
愛媛県新居浜市に本社を置き、クリーニング事業を手がけるヤングドライグループ。愛媛・香川・徳島に90を超える店舗を展開しています。しかし、3年にわたるコロナ禍で大きな打撃を受けました。

ヤングドライ新居浜 林 学エリアマネージャー
「一番影響を受けたのはカッターシャツですね。ワイシャツ類がリモートワークによって半分くらいになった時期もありました。お出かけをしないのでゴールデンウィークの時期でもお出かけする衣類が出ないと客が持ってこないので、売り上げはコロナ前の2~3割落ちていると思います」

かつて年間で9億円を越えた売り上げは、一時6億円にまで減少。現状を打破するべくこの夏、新たに参入した事業がクリーニングの宅配サービスです。

スマホなどで予約
スマートフォンやパソコンを使って住所や希望時間を伝えると、自宅まで集荷や宅配に来てくれます。

ヤングドライ新居浜 林 学エリアマネージャー
「利用客で一番多いのが高齢者ですね。布団や毛布など大きなものは自分で持っていくのは難しいので」


全国的には既に存在していたこのサービス。しかしこの会社は、客との会話にこだわっています。

宅配クリーニングで“地域の見守り”
都会とは違い山間部も広がる四国。この会社では運転免許証を返納した高齢者や一人暮らしのお年寄りたちの需要も重要視していて、客との会話を交わすことで地域の見守り活動としても貢献したい考えです。

ヤングドライ新居浜 林 学エリアマネージャー
「利用客の中にはお話してみようかなという方もいますね。身の回りのこととか、誰々さん元気かなって言っていると宅配依頼が入って『元気にしてました?』っていう話ができるので、そういうところがいいかなと思います」


新たな需要の発掘も
さらにこの会社では今年4月に介護施設向けの専用工場を施設。新たな需要の発掘を進めています。

ヤングドライグループ 永田 真一代表取締役
「限定したクリーニングだったけど、なんでも洗えるクリーニング業界をけん引していってV字回復できるような立場になって地域貢献していきたいと思います」


コロナ禍で生き残りをかけた戦い続く
コロナ禍で多くの業種が影響を受ける中、クリーニング業界でも生き残りをかけた戦いが続いています。