消えたはずなのに…地中から再燃の危険

小林キャスター:
鎮圧から鎮火にかけての活動の中で、目に見えないところの火に注意が必要です。「地中火」というものが大きく関係しています。

元東京消防庁の田中章さんによると、火災があって消火活動が行われると、目に見えている地表の火は消し止められます。

しかし、その下の腐った葉っぱなどでできた「腐葉土」は、葉が重なっているので、隙間が生まれています。

その隙間に火の粉などが入ることによって、中に火がくすぶっていたり、また表に出てきたり、木の根っこを燃やしてしまうこともあり、「ゾンビ火災」とも言われています。

元東京消防庁 特別救助隊 田中章さん:
隊員が一つ一つ、サーモグラフィーで確認しながら、少しでも煙が上がっているところを掘り起こして、腐葉土の中にある残り火を少しずつ消していく。そんな地道な活動しかありません。

小林キャスター:
山火事の原因の1位は「たき火」となっています。

【山火事の原因】
1位 たき火 32.6%
2位 火入れ 19%
3位 放火 7.6%
4位 たばこ 4.5%
5位 マッチ・ライター 2.6%
※林野庁より

元東京消防庁の田中章さんによると、たき火やバーベキューで使用した炭なども、目に見えているところは消したつもりが、「地中火」を引き起こしている可能性があるそうです。

南波雅俊キャスター:
山火事・山林火災などのニュースがありますが、増えているのでしょうか。

元東京消防庁 特別救助隊 田中章さん:
山林火災で言うと、例年は1月から5月くらいまでが一番多いです。今年は大きな火災が多かったので、「山林火災が非常に多い」という印象はあると思います。

(大きくなる要因は)家の周りでごみを焼却して、それが風によって飛ばされて山に移ることもあります。

ただ、いまは空き家と空き地の管理が非常によろしくありません。空地が草だらけになっていたり、空き家があって燃えやすいものがあったりして、それで山林に移る可能性が非常に高くなっています。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
ほとんどの場合、人間がやってしまっている場合が多いので、私はキャンプをよくやりますが、バーベキューやたき火でも、決して地面ではやらないですね。

台の上に乗せて、たき火をするとリスクが非常に少なくなると思うので、気をつけていかないといけないですね。

日比キャスター:
私たちが気をつけるべきことは何でしょうか。

元東京消防庁 特別救助隊 田中章さん:
やはり風の強い時期、あと乾燥する時期には、火を使わないということです。

なるべく、たき火、野焼きはしないことを心がけていただければと思います。

==========
<プロフィール>

田中章さん
元東京消防庁特別救助隊・元深谷市消防長
危機管理アドバイザー

ハロルド・ジョージ・メイさん
日本コカ・コーラ副社長やタカラトミー社長などを歴任
現在パナソニック社外取締役 アース製薬社外取締役など