ネガティブな物価高(忍びよるスタグフレーション)

一方、ネガティブな捉え方もありました。
五輪が終わってしまったのですから、当然、建設需要は急速に冷え込みます。中小企業の倒産件数は急増し、失業者がいやおうなく増加しました。これを昭和40年不況といいます。これは五輪明けの必然という見方もされましたが、物価だけは元のまま上がり続けたわけです。

五輪特需はピタリと止まり、稼働しない現場で労働者たちは大いに弱りました。

池田勇人内閣からバトンタッチしたばかりの佐藤栄作内閣の、最初の大問題がこの物価高対策だったわけです。