34年ぶりに東京で開催される世界陸上。女子100mハードル・元日本記録保持者、寺田明日香にとっては35歳で迎える東京2025世界陸上は、集大成の場。12秒台が7人と超激戦となっている同種目の代表争いへ「今年はケガもなく痛いところもなく過ごせているというのはありがたいなと思っています」と、順調な手応えを感じている。なによりも彼女には娘の果緒(かお)ちゃん、という心強い味方がいる。試合にはいつも応援に来てくれるかけがえのない存在だ。
母として競技を続けてきた支え
2019年9月に日本人初の12秒台(12秒97)をマークした時も、当時5歳の果緒ちゃんはレースを終えた寺田に駆け寄り「おめでとう」と祝福してくれた。
さらには助言が送られる事も…
果緒「もっと食べてさ、走ってさ、1番になれば良かったのに~!」
寺田:確かに、その通りかもしれない
果緒「はやく走ってよね~」
ところが、初めて立った夢の舞台、2021年の東京オリンピック™は新型コロナウイルスの影響から無観客での開催となる。果緒ちゃんは国立競技場の外から応援するしかなかった。
果緒「ママ~、がんばれ~!……聞こえないし。」
寺田は、この種目日本勢21年ぶりの準決勝進出。できる事なら、夢の舞台で戦う姿を“直接”見て欲しかった。
あれから4年、そのチャンスが再び来る。9月の東京2025世界陸上の舞台は国立競技場である。娘の果緒ちゃんはこの春で小学5年生。母として競技を続けてきた寺田の心の支えだ。
合宿で離ればなれでも果緒ちゃんとスマートフォンでのビデオ通話で心を通わせる。
果緒「ママ、何曜日に帰ってくるの」
寺田:え、日曜日じゃない?
果緒「なんで~、日曜~!?」
寺田:え、じゃあ、なんかお土産買っていくから!
果緒「お土産じゃなくて“ママ”が欲しいの!」
寺田:おぉ~、ありがとうございます!

















