信州の名産品・リンゴの老木や摘果した実を煮詰めて染めた「リンゴ染め」の衣装がパリのファッションショーでお披露目されました。
どのように製品化され、現地ではいったいどんな反応があったのでしょうか。

3月9日、フランス・パリで開かれたファッションショー。
モデルたちが身につけたのは、長野県飯綱町の住民グループがおよそ40年に渡って続けている「リンゴ染め」で仕上げたデニムパンツです。

ファッションショーの様子(提供:原口光雄さん)

「リンゴ染めをパリへ!」をテーマに掲げた住民たちのプロジェクト。

きっかけを作ったのは町の地域おこし協力隊員で、いいづなアップルミュージアムの学芸員として活動をしてきた原口光雄(はらぐち・みつお)さんです。

■飯綱町地域おこし協力隊 原口光雄さん:
「(学芸員の時に)リンゴの栽培に初めて関わったんですけど 廃棄物が意外にたくさん出るんだなと知り、何かそれを新しい価値にして、アップサイクルプロジェクトといいますか、面白いことができないかなと考えて」

そこで目を付けたのが摘果したリンゴや老木、剪定された枝などを使った「リンゴ染め」。

リンゴ染めの作業

町でおよそ40年にわたって草木染めなどをしている会「苹果染(ぴんごぞめ)グループ」に協力を依頼。グループ名は、リンゴ原産地の一つである中国のリンゴの呼び方にちなんだものです。

さらに、リンゴ染めを世界にPRしたいと、原口さんの妻・麻希(まき)さんの縁でパリのファッションショーに参加する予定の若手デザイナー集団=「再倖築(さいこうちく)」と繋がりました。

再倖築(さいこうちく)は、古着などのリメイクファッションを得意とするデザイナー集団です。

■再倖築 代表の田尻永太さん:
「サスティナブルな課題もあるので絡められたらいいなと思いながら なおかつ一点もので面白いアートもできて…みたいな、いろいろ総取りしたようなブランドです。リンゴ染めは枝や葉から煮詰めて色を出していると聞いてコンセプトにはまっているなと思って」