■夢だった自衛官を退職 実名で告発 “強い意志で戦います”

今年6月、五ノ井さんは自衛隊を退職することを決断しました。


実は自衛官になることは五ノ井さんにとって小学生の頃からの夢。東日本大震災で被災した際に災害支援に訪れた女性自衛官との出会いがきっかけでした。


しかし夢をかなえようと入った自衛隊で受けた性被害。このままでは新しい女性隊員が同じ目に遭ってしまう。五ノ井さんは名前と顔を出して被害を告発することを決めたのです。


『最後の最後まで絶対諦めません。強い意志で戦います』(五ノ井さんのツイッターより)

今年8月、五ノ井さんはネット上で10万人を超える署名を集め、防衛省に提出。第三者による調査や謝罪を求めました。


五ノ井さん
「私以外の被害に遭われてる方もいるので安心して勤務できるような環境を作ってほしいと思っています」

この1週間後、防衛省は全ての自衛隊員を対象とした特別観察を行うことや五ノ井さんの被害調査を始めたことを明らかにしました。


防衛相の担当者
「大変申し訳ございませんでした」

9月29日、防衛省は五ノ井さんへの性被害や被害を口外しないよう隊員が口止めしたことなどを認定しました。


五ノ井さん
「私は夢を持って陸上自衛隊に入隊したので、今こうやって認められたっていうのは本当に遅い」

そして10月17日、加害者の隊員4人からの直接の謝罪がようやく実現したのです。

五ノ井さん
「私は被害に遭ったからこう生きなきゃいけないとか笑ってはいけないとかではなく、被害者としてではなく1人の人間として強くこれからも生きて、いろんな人を笑顔にさせたりとにかく自分らしく生きていきたいと思います」