■旧統一教会側は「かなり焦っていると思う」
小川彩佳キャスター:
長年、旧統一教会を取材しているジャーナリストの鈴木エイトさんとTBSスペシャルコメンテーターの星浩さんに加わっていただきます。
まずエイトさんに伺いますが、政府が旧統一教会を調査する方針を示したことで、教団はどう受け止めていると思いますか?
ジャーナリスト 鈴木エイトさん:
かなり焦っていると思うんですよね。勅使河原さんが橋田さんに直接会いに行った。拒絶されてるにも関わらず会いに行ったってのもその表れだと思うんですよね。ただ、そういう教団の動きが全てここまで裏目に出ているってところもポイントだと思います。

国山ハセンキャスター:
その旧統一教会への調査をめぐっては、今月11日に被害の救済に取り組む弁護団が解散命令の請求を申し入れていました。しかし政府は14日、解散命令の請求は十分慎重に判断するべきとの答弁書を閣議決定していましたが、17日になって調査の方針を示した形です。

星さん、この3日間で岸田総理の考えにどんな変化があったんでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
週末に3つぐらいの動きが重なったんですね。連日、支持率がどんどん下がり続けてまして、政権としては非常に焦りがあった。それから、17日から予算委員会の追及が始まりますので何らかの対応をしなくちゃいけないと。加えて消費者庁の有識者検討会が質問権行使した方がいいですよという提言をまとめるということなので、それに乗っかったというそういう形ですね。

■国による調査の実効性は?
国山キャスター:
今後、想定される流れを改めて確認しておきますが、まず、文部科学大臣が宗教法人審議会に調査の実施を諮問し、具体的な調査項目などについて意見を聞き、その後、教団の調査を行います。法令違反の疑いがあった場合、裁判所に解散命令の請求を行い、裁判所が解散を命令すれば、宗教法人格が剥奪されることになります。

小川キャスター:
星さんは国による調査の実効性をどう見ていますか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
時間はある程度かかるんですが、調査が始まる中で、教団側から多額の献金の返金があるんじゃないかという部分については政府側は若干期待していますけど、これからもその事実関係を調べなくちゃいけませんから、やはり弁護団との協力というのが非常に大事になってくると思いますね。

小川キャスター:
ただ、この調査を行っても結果何も出てきませんでしたということになりますと、逆に教団側にお墨付きを与えることになりかねないっていう可能性というのは?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
心配する人が多いでしょうが、政府側、特に文科省は一部、今まで民事裁判の中でも事実認定がされてますので、教団側がかなり多額の違法な献金を集めてたと、合意にしていたということがありますので、それをもとに質問調査を進めていけば、将来的に解散請求に至る道筋はあるという、ある程度確信を持って今回、質問権の行使踏み切ったんだと思いますね。
小川キャスター:
エイトさん、今回のその調査はあくまでも任意という中で教団側が時間稼ぎをしたりとか質問に答えないということも起こりうるんでしょうかね?
ジャーナリスト 鈴木エイトさん:
そういう可能性もあるとは思うんですよね。今回は調査と並行して、被害を訴えている元信者、その家族らの救済は当然行っていく必要があると思っていまして。他方、調査が進んでいく過程において現役の信者が追い込まれていく可能性があるんです。やっぱりそういう信者のケアもしっかりしていかないと教団が先鋭化していってしまうっていう可能性があると思います。
小川キャスター:
先鋭化というのは絶対に避けなければならない部分ですね。
ジャーナリスト 鈴木エイトさん:
また新たな被害者であるとか、新たな事件を起こしてしまう萌芽を摘んでいかないといけないと思います。