■教団への解散命令 可能性は?
今回の質問権の行使について、永岡文科大臣は「年内のできるだけ早いうちに対応する」としたうえで…
永岡桂子文科大臣
「情報収集、質問の手続きの途中であっても解散命令を請求するに足る事実関係を把握した場合には、速やかに裁判所に対し、解散命令を請求することを検討していく」

岸田総理が教団への調査を実施する方針を示したことを受けて、被害者救済に取り組む紀藤弁護士は、こう評価します。
全国霊感商法対策弁護士連絡会 紀藤正樹弁護士
「ようやく調査という形で一歩進んだ。我々は解散命令を求めていたが、少なくとも解散命令の請求の根拠になる疑いがあるというところまで辿り着いた。そういう意味では初めの第一歩」

その上で紀藤氏は、これまで宗教法人法の慎重すぎる運用によって、統一教会問題が見過ごされてきたとし、今後はスピード感が大事だと話します。
一方、審議会に諮問し行われる調査について、憲法学が専門の九州大学の南野教授は懸念を示します。そもそも、この調査には家宅捜索のような大きな権限があるわけではないためです。
九州大・法学部(憲法学) 南野森教授
「調査と言っているが、国側から宗教法人に対して質問をしてその答えを聞くだけ。今まで知られていない新たな事実が捜索で明らかになるとか、教団がひた隠しにしていたものが立ち入り調査で明らかになるというものではない」

では、教団に解散命令が出される可能性はあるのでしょうか。
九州大・法学部(憲法学) 南野森教授
「宗教法人本体の刑事裁判はないけれど、十分、宗教法人として解散に値するというふうに考える。そういう判決を裁判所が出すべきであるし、出すだろうと考えるのであれば、政治が裁判所の判断を仰ぐということになるだろうと思う」
■「もし総理に会えば、解散をしてほしいと。これしかない」
国会内で審議を見守っていた橋田達夫さん。橋田さんが訴える教団の被害については、17日の国会でも取り上げられました。
立憲民主党 山井和則議員
「なぜ、顔と名前を出して橋田達夫さんはこうやって発言をしていると思うか」
岸田総理
「大変壮絶な経験をされた、それに対して強い思いをもっておられる。何とかこうした状況に対して、これ以上被害が広がることは防がなければいけない。そういった思いを持っておられるんだろうなと」
様々な思いをめぐらせたのか、橋田さんが何度か目頭をぬぐう場面も見られました。

国会終了後、岸田総理と面会する機会があったらと聞かれると…
橋田さん
「もし声をかけてくれたら会いに行く。僕はもし総理に会えば、解散をしてほしいと。これしかない」
