「この川を流れてきたんやな」瓦礫の上にあった遺品のDVD

あれから半年、新たな動きがありました。

滋賀県から能登でボランティアを行う川村美津子さん。

豪雨から1か月後、翼音さんが流された川の付近を車で走っていたときのことでした。

認定NPO法人 つどい 理事長 川村美津子さん(64)
「何かここで車を停めてほしくなって、スーッと河原のほうに写真を撮りに行くつもりだった」

河原の様子を撮影しようと降り立った場所で、瓦礫の上にあった一組のDVDを見つけました。

川村美津子さん
「半分以上、砂に覆われている状況で、ところどころ『河井小学校』『卒業生』というのがちょっとずつ見えていた」

『誰かの思い出の品かもしれない』と思い、DVDを拾ったものの、損傷がひどく、再生はできませんでした。

その後、他のボランティアの力を借りて、2月、一部データの復元に成功。映像には喜三翼音さんの名前もありました。

翼音さんが通っていた小学校の卒業記念DVDでした。そこには、3年前の翼音さんの姿が映っていました。

川村美津子さん
「(“令和3年度6年生”の文字を見て)『翼音さんと同い年だな』と思ったが、土地勘が無く、どこが翼音さんのご自宅か、全く知らないままDVDにここで出会った」

DVDが見つかった場所は、翼音さんの自宅から約300m離れた場所でした。

川村美津子さん
「この川を流れてきたんやな…翼音さんの家はあの辺りですかね。きょうはお花も何も持って来れんかったけど」

そう言って、川村さんは手を合わせました。

川村美津子さん
「遅くなったけど、やっとお家に翼音さんの一部をお返しに来ることができました。あしたご家族にお返ししたいと思います」