そこで町・村の枠をこえて木曽の公共交通の再構築が動き出したのです。長野県、6町村長、バス・タクシー事業者が5回にわたり検討を重ね、木曽の公共交通再構築のための実施計画が19日承認されました。

計画に盛り込まれた最も大きなポイントは、公共交通の維持を自治体ごとから木曽全体に移すことです。

具体的には大動脈の国道19号を北の木祖村から南の南木曽町まで100キロ以上を真ん中の木曽町でつなぎ縦貫する路線、開田高原、王滝に向かう路線を4つの幹線とします。19号の縦貫は初めての試みです。

この幹線上に乗り換え地点を設けて、そこまではワゴン車やタクシーでつなぎ、幹線と合わせて現在の39から36の路線に整理します。

新しい計画は、国が進める再編方針に沿っていることから、事業費の45%が国と県から補助されます。このため、路線数を大きく減らすことなく、自治体の財政負担を減らすことできます。さらに共通の車両デザインとし、運賃も統一します。

地域全体で公共交通の再編に取り組むのは県内では木曽地域が初めてです。

上松町大屋誠町長:「住民の足を確保するという意味では非常に木曽地域というのは難しい地域。ひとつの木曽がつながった、南北でつながったという意味ではすごく大きい意味を持っている」

大桑村坂家重吉村長:「わが町わが村の交通網だったのが広域的に動けるというメリットを感じてもらえるように。ちょっと時間はかかるかもしれませんが期待したい」

木曽には妻籠・馬籠や御嶽山などインバウンドが増加している観光地があります。路線を整理することで、こうした観光路線を定期運行し、地域の発展につなげたい狙いもあります。

再編後は住民だけでなく観光客も含めた誰でも乗れるバスを目指しています。乗ってもらえる便利なバスに生まれ変われるか?木曽モデルは、25年10月スタート予定です。