死者14人、負傷者6,300人以上を出し、社会を震撼させたオウム真理教による『地下鉄サリン事件』から、3月20日で30年です。その後継団体『アレフ』は、札幌などを拠点に活動を続けています。

◇《オウム元最高幹部・上祐史浩氏が語った“陰謀論”の存在―》

オウムの元最高幹部とアレフの元信者が、教団内部の実態を明かしました。

ひかりの輪 代表(元オウム真理教 幹部) 上祐史浩氏
「信者が教祖を盲信しましたが、教祖が主導して一連の事件を起こしました」

HBCの単独インタビューに応じたのは、上祐史浩氏。かつて、オウム真理教の広報部長を務め、後継団体アレフから脱会後、現在は『ひかりの輪』の代表に就いています。

ひかりの輪 代表(元オウム真理教 幹部) 上祐史浩氏
「選挙不正の陰謀論、毒ガス陰謀論、そして、人工地震の陰謀論…。あのときは社会が一笑に付した、嘲笑したオウムの荒唐無稽な話なんですが(社会に)いま広がっている“陰謀論”と非常に似た構造」

「これが、オウム真理教の最後の事件(地下鉄サリン事件)の引き金になった」

◇《陰謀論的な“被害妄想”が教団武装化を進めた―》

ヨガサークルから始まり、宗教法人となったオウム真理教。麻原彰晃・松本智津夫元死刑囚を救世主として、ハルマゲドン=終末論を掲げ、若者を中心に勧誘を行いました。

信者数は約1万5千人。当時の山梨県・上九一色村の教団の施設“サティアン”でサリンを製造し、地下鉄サリン事件を起こします。

ひかりの輪 代表(元オウム真理教 幹部) 上祐史浩氏
「内部から見ると(社会への)反撃。つまり、もう戦争は始まっていて(松本元死刑囚は)陰謀論的な被害妄想に陥っていた」

「(社会と)戦わなければ、滅ぼされてしまう―。だから、どうしてもやらなければいけない…みたいな形で、教団を武装化して、どう反撃するか…、どう打ち負けないようにするかという陰謀論に入っていった」