■ロシアの孤立 過去に孤立した日本は…
ロシアの孤立化を図るウクライナや欧米諸国。
ゼレンスキ―大統領
「ロシアを外交的に孤立させなければならない」
しかし、ロシアが今後孤立を深めた場合、どういった行動に出るのでしょうか。
かつて孤立した大国、日本は…
松岡洋右代表
「日本は総会が認めた報告書を受け入れることはできません」
1933年、満州国を認めないとした国際連盟の決定を不服とした日本は、松岡洋右代表が議場から退場。国際連盟を脱退し、孤立を深めた日本は、その後、太平洋戦争への道を歩みました。
いま国際社会で孤立を深めるロシア。6月には、国連安保理の場で非難されたロシアのネベンジャ国連大使が途中で退席する一幕もありました。
■安保理の機能不全 しかし拒否権は“必要悪”

今回のウクライナ侵攻を巡っては、開始当初からロシア軍の即時撤退を求める決議案が出されましたが、ロシアの「拒否権」によって否決。改めて、国連の機能不全が浮き彫りとなったのです。
安全保障理事会では、常任理事国5か国のうち1か国でも反対すれば決議が否決される、強力な「拒否権」が与えられています。
拒否権が生まれた背景には、先の大戦を防げなかった“国際連盟の失敗”があります。

植木安弘・元国連広報官(上智大学教授)
「拒否権がなくなってしまうと、大国が国連から出るという連盟の失敗が再度起きる可能性が強い。当時、常任理事国だった日本も満州事変を機に 脱退する。ドイツもナチスが出てきて脱退する。ですので、拒否権は、ある意味で“必要悪”ではないかと。あるいは“安全弁”」
しかし、その「拒否権」によって国連が機能不全に陥ってしまった現実。
それでも専門家は、国連には「議論の場」としての役割があるといいます。
植木教授
「拒否権というのは、それがあるゆえに、自分を非難されるような決議が出ても、何とか国連にとどまる。残ることによって議論が続いて、国際世論の圧力をロシアにかけていく。国連という場は有益だと思う」
ウクライナ情勢にとどまらず、北朝鮮のミサイル発射など、世界を揺さぶる問題を前に、今、改めて国連の役割が問われています。
(「サンデーモーニング」2022年10月16日放送より)














