2022年、設立から77年となる、国際連合。平和を維持する使命を持つ国連はいま、曲がり角にあるようです。
■設立77年 国連総会でロシア非難決議

ヨルダンの漫画家が描いた一枚の絵。ルームランナーで後ろに押し戻されまいと、前に進もうとする人。背中には「UN=国際連合」、左上には「国連設立77年」の文字が描かれています。
10月24日、1945年の設立から77年を迎える国連。この絵はまさに今の国連が置かれた苦境を物語っています。
その国連の場では…
アメリカ・トーマスグリーンフィールド国連大使
「今日はロシアがウクライナに侵攻しているが、明日領土を侵されるのは別の国かもしれない。次はあなたかもしれないのだ」
10月12日、国連総会の緊急特別会合で、ロシアによる、ウクライナの4つの州併合を無効とする非難決議が、143か国の賛成多数で採択されました。
これに対し、ロシアは反発。
ロシア・ネベンジャ国連大使
「4州の住民の大多数がロシアの一部になることを支持した」
決議に反対したのは、ロシアやベラルーシ、北朝鮮など5か国。中国やインドなど35か国が棄権しました。
この決議には法的拘束力はありませんが、ロシアの孤立を際立たせ、一定の圧力をかける効果が見込まれます。
今回は、ウクライナ侵攻後、最多の支持を得て採択されましたが、特に目立ったのが、アフリカ諸国の賛成票です。
■ロシアとウクライナの「アフリカをめぐる綱引き」

そして今、このアフリカ諸国を巡って、外交的駆け引きが続いています。10月、コートジボワールやセネガルなどを訪れたウクライナのクレバ外相。
こうした歴訪を通じて、アフリカ諸国からの支持を取り付ける狙いがあります。
背景には、ウクライナ侵攻後、ロシアがアフリカ諸国との結びつきを強め、支持を得ようとしていることがあるとみられます。6月にセネガルとの会談でプーチン大統領は…
プーチン大統領
「我々は常にアフリカの側に立ち、植民地主義との戦いでアフリカを支援してきた」
ウクライナはこうした結びつきを切り崩そうとしているのです。