近隣住民「何の相談もなくいきなり工事が始まった」

 このこども園をめぐっては、計画の進め方に憤懣している人もいます。

 「そりゃあびっくりしますよ。何の相談もなくいきなり工事が始まるんですよ。びっくりするでしょ、普通ね」

 こう話す松本正樹さん(50)の家は、約半分がこども園の建設地と接しています。親子3代にわたり、ここで暮らしてきた松本さん。こども園の計画を知ったのは去年の2月だったと言います。

 (松本正樹さん)「市の方が来られて、その時に説明を受けたのが最初ですね。『まだ何も決まってないですよ』ということだったので、計画が進むことがあればその段階ごとに説明をしますよと」
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 ところが、この約3か月前、市議会でこども園の基本計画について話し合われた際、市の担当者は次のように答弁していました。

 【おととし12月の議事録より】
 「(こども園)周辺にお住まいの住民の方にお声かけをしておりまして、おおむね賛成というか、分かったよということでお答えをいただいております」

 市の記録では建設について理解しているとされていたのです。

 (松本正樹さん)「正直腹が立ちますよ。だって私が聞いたときには、議会の承認は終わっている。業者にも発注をしている。いろんな方にうかがいました。周りの方に話をうかがいに行ったのですが、心底納得をしたりとか賛成をされている方はいなかったですね」

 その後、2回開かれた住民説明会に参加することができなかった松本さん。着工後の近隣住民への工事説明会で初めて計画の詳細を知り、驚いたと話します。

 (松本正樹さん)「園舎自体を1mかさあげをして、園庭自体を1m盛り土をするというんです。こども園自体は水害の被害を免れたりとか、減災されることはあるかもしれませんが、ここで受け止めるはずだった水はどこに行くんだということを本当に考えていたのかと」