千葉の「消滅可能性自治体」が抱える3つの課題と新知事に求めること

該当した自治体に取材をすると、主に3つの点で課題や、新たな知事に求めたいテーマが見えてきました。

【人口減少の課題】
「教育施設のハード面(特にトイレ)の整備が十分ではない。市立学校にも支援を」(勝浦市・照川市長)
「婚姻数を増やす政策を県単位でもう少し広く行うことを期待したい」(南房総市担当者)
「成田空港の3本目の滑走路の整備が進捗しており、敷地にかかる地区住民の移転により、転出する住民が多いことが想定」(芝山町担当者)

【雇用の課題】
「基幹産業である農業、漁業、水産業、醤油醸造業、観光業などの人材不足」(銚子市・越川市長)
「看護師の養成学校はあるが、東京のほうが賃金が高く流れてしまう」(南房総市担当者)

【インフラの課題】
「半島性からの脱却をしたい。県に旗を振ってやってもらいたい」(鋸南町・白石町長)
「広域幹線道路網の整備促進を(国道356号バイパスや国道126号八木拡幅の早期整備)」(銚子市・越川市長)

「ちばぎん総合研究所」の関谷研究員は、「人手不足」の対応が県に求められていることの一つと説明します。また、こうした自治体間をつなぐ「横の連携」をし、たとえば自治体運営になっている路線バスの充実なども県にできることの一つといいます。さらに、千葉の魅力を県外に発信し「移住促進」や「婚活支援」をすることで多くの世代に住んでもらうことが重要としています。