父はかっこいい存在 「最大の理解者を失いたくない」
葛藤する両親の姿を心さんも見てきました。

(心さん)
「子育てができないだろうとか、同じ病気の人でも差別に苦しんで生活している人がいると思うので。その人たちのためにも差別をなくしていきたいなと思います」
そんな心さん、今は卓球に熱中しています。きっかけは懸命に努力する父親の姿でした。その存在はいつしか憧れになりました。

(心さん)
「かっこいい存在。ぼくがこえるべき人ではありますね」

(伊東香織倉敷市長)
「表彰状、中田孝博殿。おめでとうございます」
全国で優秀な成績を収めた市民などに贈られる「倉敷市スポーツ章」です。孝博さんが受賞しました。

去年、岡山県代表として出場した全国障害者スポーツ大会の卓球部門で、3年連続の優勝を果たした功績が讃えられたのです。

(孝博さん)
「ただいま」
報告を心待ちにする2人の元に孝博さんが帰ってきました。

(幸さん)
「おめでとう」
「父ちゃん3人でこれからもやっていこうな」
(孝博さん)
「そうじゃな、よろしくお願いします」
(幸さん)
「父ちゃんがおらんかったらな、もうご飯もよう作らんかもしれんしな」
(孝博さん)
「頑張るけん頑張るけん」

(幸さん)
「頑張らんでいい言ったけどな。父ちゃんがおらんかったら何もできんから、どんな形でもいいから生きておって」
その言葉は、「最大の理解者を失いたくない」という叫びにも似た願いです。