東は大雨、西は晴れ。同じ市内なのに気象状況が違うこともある奈良市。きょう3月13日から、大雨警報などの発表区域が「奈良市西部」と「奈良市東部」に分割されて運用がはじまります。 対象となる情報は、大雨などの気象に関する特別警報・警報・注意報と土砂災害警戒情報です。
気象区分は、3月13日午後1時に、これまでの「奈良市」から「奈良市西部」と「奈良市東部」の2区域に分割され、今後は区域を絞り込んで警報などが発表されることになります。
奈良市によりますと、市域は東西に約33.5キロと長く広域であり、大雨警報が発表された場合、たとえば東部でも大雨となっていても、西部では晴れているなど、市内でも場所によって実際の気象状況と大きく異なるケースがあったということです。
「警報で学校が休校になる」の声も
市民から「警報が出ると学校が休校になり、共働きの子育て世代は、会社を休まなくてはいけない状況になり困る」などの意見があったということです。そのため、奈良市は2021年に気象庁長官に要望書を提出していました。
「奈良市西部」は、市内人口の約97%を占める市街地・平地などで、おもな災害リスクは洪水・浸水害。 一方、「奈良市東部」は人口の約3%で山間部が多く、土砂災害が主な災害リスクになります。
奈良市によりますと、「奈良市東部」は、おおむね、月ヶ瀬、柳生、大柳生、狭川、東里、田原、都祁の各地区に該当するということで、学区や消防局の管轄エリアなどをふまえて分割したということです。
ほかに奈良県内では、五條市が市町村合併に伴い、2005年に「五條市北部」と「五條市南部」に分けられています。 分割のメリットについて気象台は、「避難所開設の判断や地域の防災機関の活動などをより効果的・効率的に実施できるようになり、地域の防災対応の改善に貢献することができる」としています。