時間削減と満足度向上
【住】利用している職員も満足していましたね。
【平】自治体の生成AI導入をサポートする西海クリエイティブカンパニーが、導入2か月後に、西海市職員を対象に行ったアンケートによると、88%の職員が「業務効率化の役に立ちそう」と答えたということです。

また、議会答弁や文章案や企画案の作成などで、1日1人あたりの時間削減効果は「12分」だったということで、このままのペースで生成AIを利用すると1人あたり年間およそ30時間の削減に繋がります。
西海市では、来年度からは生成AIの本格導入を予定していて、庁内全体で年間7,000時間の削減を目指したいとしています。
【住】今後、働き手を増やすことはより難しくなりそうですから、民間、行政を問わず、DX化は避けて通れなくなりそうですね。
段階的アプローチ
【平】DX化と言うと、まだ馴染みがない人にとってはハードルが高いと思われがちですが、設備投資に費用をあまりかけずに始められるも方法あります。

DX化のパターンとしては、
(1)アナログ・物理データのデジタルデータ化
(2)個別の業務・製造プロセスのデジタル化
(3)組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革と言われており、どのパターンから取り組んでも良いとされています。
【住】今やいろいろな手続きなどが電子データを前提とした制度にどんどん変わっていますからDX化は避けて通れないですね。
【平】ただ、いきなり全業務のデジタル化やビジネスモデルの変革を目指すのではなく、まずは、アナログ処理しているものをデジタル化することから始めるというのも良いかもしれません。
人にしかできない仕事に集中:DXの本質
西海市の熊本課長補佐の言葉、「頭をひねって1時間悩むよりも生成AIに聞いて30秒で答えを出して、それが良いか悪いかを判断した方が絶対早い」という言葉が印象的でした。
これまで培われた“経験”や“勘”を有効に活用するためにも、デジタル化できる作業はアナログからデジタルに変えて、人でしかできない仕事に人を集中して行うというのが、人口減少社会の中で生産性向上や業務効率化には必要だと思います。