「いつまでも継続を」伝統芸能継承への願い

翌日は、田植踊りとともに踊る神楽が披露されました。生き生きとした獅子舞と、
ひょっとこのユニークな掛けあい。この日も、学生たちは見事に息の合った動きを再現し、観客を魅了しました。

ひょっとこの師匠・三瓶友一さんは、少し寂しさを感じながらも、弟子たちを送り出しました。

三瓶友一さん「私がこの保存会に入ったのは、30年ちょっと前くらいなんですけど、みなさんが3年間とか2年間とか1年間とか、という人たちが、こんなに立派に芸を披露してもらえるというのは、まあ、若い力かなと思ってます。この若い力を就職とか、いろんな場所で存分に発揮して、がんばってもらいたいと思っております」

大学で学生を指導し、踊りの継承も担ってきた准教授の金子祥之さんも、これまでの日々を振り返りました。

金子祥之准教授「実永さんからほぼ無茶ぶりに近い形で、地元の芸能が大変なので助けてほしいと言われて、いろいろ頭を抱えながらやってくることになったんですけども、保存会のみなさんがおっしゃっていたように、こんなすばらしい集まりになるとは思わなくて、こちらが想像している以上の成果が出て本当に、いい気持ちでおります。本当に最高の学生たちだったと思うし、津島の皆さんだったと思うので、今後とも様々な形で、どうぞよろしくお願いいたします」

笑顔と感謝で終えた、2日間の公演。保存会の会長・三瓶専次郎さんは、この取り組みが未来につながっていくことを期待しています。

三瓶専次郎さん「本当に、立派に披露してくれたなと思っています。短期間、2年
ちょっとなんだけどね、ここまでやってくれるというのは本当に考えてもみなかったし、こういうきょうの日を迎えるなんてことは私も考えていませんでした。それが学生さんたちで立派に披露してくれたというのは、本当にありがたい。我々の会は今後だんだん(会員が)亡くなっていくのが現実なんですよね。ただ、先ほどの伹野君のあいさつの中に、我々の会員に入ると。こんなうれしいことはありませ
んよ。ぜひ、伹野君についてくる人たちを1人でも多く、我々も交代になっていきますからね。南津島の本家、田植踊りの本家をいつまでも継続させていただきたいなと思っています」

大学と保存会は今後も新しい学生を受け入れつつ、次の世代にどう引き継いでいくかを模索していくということです。