今後のコメ価格は…“大臣の頭の中の方策”とは?

齋藤キャスター:
備蓄米放出を控える中で、非常に気になるのは価格だと思います。
24年12月からのスーパーでのコメの販売価格を見てみると、右肩上がりとなっており、備蓄米の放出が発表された後も価格は上昇しています。2月17日~23日の価格は5kgあたり3939円となっています。1年前の同じ時期は約2000円だったので、2倍弱値上がりしています。
また、10日に最新の価格が発表されますが、関係者はどういった見立てになっているのでしょうか。

田中記者:
大手業者などの関係者からは「5キロ4000円を超えるのではないか」との声もあり、下がる傾向はないとの見立てが多いです。
齋藤キャスター:
備蓄米放出後のコメ5kgの店頭販売価格がどう変動していくのか、専門家に今後を予想してもらいました。

日本総研の三輪泰史さんは「コメの価格の低下に一定程度は効果あり。3月末~4月上旬頃には、100円~200円程度安くなるのではないか」と話しています。
また、宇都宮大学の小川真如助教は「比較的安いブレンド米が店頭に並んだり、飲食店で“おかわり自由”も増加するのではないか。4月頃には、100円~200円程度安く購入できる可能性がある」と予想しています。
“上がりはしないが、大きな下がりもないのでは”、という見立てになっているようです。

また、江藤農水大臣は7日に「新たな方策を皆様の前で発表する機会があるかもしれません。きょうの段階ではまだ私の頭の中にあるとご理解いただければと思います」と話しています。
大臣の“新たなカード”とは、何なのでしょうか。

田中記者:
関係者の周辺を取材していますが、役所内では「具体的にはわからない」という声が多いです。21万トン放出しても、追加で放出するかもしれない。大臣も「新たな方策を考えている」と表明しており、現場ではギリギリのところまで来ているのでは、と感じています。
井上キャスター:
これまでの政府の説明は予想が外れているので、信用ならないと感じます。約100円~200円ぐらいしか下がらないのであれば、もっと思い切ってできないのか。備蓄米を管理している倉庫が東北に集中していると、放出の地域差が出るんじゃないかなど懸念を感じます。
宋美玄さん:
備蓄米を全部放出するというのは、災害の観点から難しいと思います。流通の停滞などに対して、政府が口出せるところは少ないのではないかと感じます。
100円~200円しか下がらないんだったら、値段が上がる前に買った方がいいのかなと思ってしまいます。
田中記者:
大手業者の人たちは、そもそも米が足りていないと指摘しています。
井上キャスター:
政府としては、21万トンの放出である落としどころをつけたことになります。追加放出も考えていると言われてますが、政府はどのように考えているのでしょうか。
田中記者:
仮に放出して流通の円滑が進まない場合、さらに追加すると言っています。それでも価格が下がらない、市場に影響出てこなかった場合は追加するという形です。
井上キャスター:
放出しすぎても市場の原理が崩れてしまうので、今後の推移を見守ることになりそうです。
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<プロフィール>
田中優衣 記者
TBS報道局経済部
農水省担当 食品・飲料業界なども取材
宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信