■名古屋ウィメンズマラソン2025(9日、バンテリンドーム ナゴヤ発着、42.195㎞)

東京世界陸上(9月)の代表選考会を兼ねた「名古屋ウィメンズマラソン」が行われ、世界陸上ブダペスト(23年)代表の佐藤早也伽(30、積水化学)が2時間20分59秒、日本人トップの2位でフィニッシュ。世界陸上参加標準記録(2時間23分30秒)を突破し、大阪国際女子マラソン(1月)で日本人トップの小林香菜(23、大塚製薬)の記録も上回ったため、代表入りに前進した。

表彰式のあと行われた会見で佐藤は「自己ベストを目標に今回のマラソンに挑んで、それを達成することができて本当に嬉しく思っています」と自身も納得のレースとなったようだ。

終盤の粘りの走りについては「いつもよりも足が残っていて余裕があるなっていうのが...」と振り返り、積水化学の野口監督も「彼女の成長を感じたレースになりました」と練習の成果が出たことを評価した。

「ブダペストの世界陸上では8位を目標に取り組んできたが、達成できず世界との差を感じ、そこでもっと世界で戦えるような強い選手になりたいと思えた」と前回の世界陸上(20位)を振り返った佐藤は、「(今回の)代表に選ばれたら前回達成できなかった8位入賞というのを目標に、先頭集団で勝負ができるように準備をしたい」と意欲をみせた。

佐藤は22年のベルリンでマークした自己ベスト(2時間22分13秒)も大幅に更新し、日本歴代9位の好タイムをマーク。同大会では一山麻緒(2020年)以来、日本人史上2人目となる2時間20分台に。大阪国際(1月)、東京(3月)を含め、世界陸上選考レースでは日本人最速のタイムとなり、代表有力候補となる中、「走る前はあまりそういう日本代表とか考えてなくて。自分が本当に納得するようなレースをしたい」と今後に向けて意気込み、静かに闘志を燃やした。