発生から10日目。大船渡市で出されていた避難指示が一部解除されました。東日本大震災後に引っ越した先で、今度は山火事での避難となった女性。1週間ぶりの我が家で「長生きするといろんなことがある」と孫が淹れたお茶を飲みながら語りました。

「熱いお茶が飲みたい」避難指示一部解除で自宅へ

山火事発生から10日目。大船渡市で出されていた避難指示の一部が、ようやく解除されました。

金野綾子さん(81)
「うわーよかったよかった。我が家がいいね。やっぱり、我が家はいいね」
孫・健太さん(27)
「避難した当時のまんま」

避難指示が解除された地区に住む金野綾子さん(81)と孫の健太さん(27)。

Q.家に帰ってきて、一番最初にやりたいことは?
金野綾子さん
「熱いお茶が飲みたいね」
健太さん
「じゃあ、入れてくるわ」

小学校で1週間の避難生活を送った金野さん。2月28日の夕食時に避難指示が出たため、キッチンはそのときのままです。

健太さん
「鍋は見せません、見ない方がいいです」

Q.鍋の中には何が入っていた?
健太さん
「みそ汁です」

金野綾子さん
「長生きするといろんなことがあるんだと思って。津波でここに引っ越して。苦労したね」

精肉店を営む三浦力さん(68)も、6日ぶりに店に戻りました。

三浦力さん(68)
「とりあえず安心。ただ、今から商品を片付けなくてはいけない。日付が過ぎていたり、ダメになったりしているものとか。本来はまだ食べられますけどね。(売り物としては)ダメ」

避難指示が解除されたのは赤崎町の一部、415世帯957名です。延焼の恐れがなくなったからだといいます。

Q.解除に至っていない地域は何がネック?
大船渡市 防災担当者
「6日、熱源が判明した部分もある。慎重に判断している」

いつ再び炎があがるかわからない山火事の現場。消防隊はドローンや、ヘリを使って、情報収集を行っていました。

今も家に帰れない人もいます。

避難している人
「燃えてしまったから写真とかも。『あれもあった』『これもあったな』って悔しいです。眠れないです。前を向いていくしかないです」

現在も1481世帯3639人に避難指示が出されています。