日本球界復帰も考えたイチロー、その候補は“巨人”
メジャー7年目の2007年、イチローは野球人生で初めて自らチームを選べる状況となった。世界一からはほど遠いマリナーズに残留するのか?熱烈なオファーを受けた、メジャー屈指の名門、ヤンキースへ移籍するのか?当時の胸の内を聞くと、意外な言葉が返ってきた。

イチロー:2007年は、実は日本に戻ろうかと考えたこともあった。でもそこを踏みとどまった。
帰国して日本のプロ野球へ復帰する。そのチームとは、当時、原辰徳監督が率いていた読売巨人軍だったという。
記者:あの当時は、巨人っていうチームはイチローさんから一番遠いイメージだと思ったんですけど、それでも巨人の可能性を考えたっていうのは、なぜだったんですか?
イチロー:面白いじゃないですか、人が想像しないからね。それはプロ野球選手としての一つの使命と捉えることもできる。
イチローは、オリックス時代のある出来事を覚えていた。
イチロー:春のオープン戦で、神戸にジャイアンツが来たとき、こんなに人が集まるのかって。巨人ってすごいなぁっていう記憶がすごくあります。
さらに、巨人で一時代を築いた西本聖が1992年、中日からオリックスに移籍。その西本の姿も強く印象に残っているという。
イチロー:西本さんがいらっしゃったときに、雰囲気がちょっと違うなって、オリックスの選手たちと。これが巨人かぁって。西本さんのイメージですね、僕の中では。