震災で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市で当時、指揮を取った警察署長と、現場で遺体の検視にあたった現役の警察官。震災発生からまもなく14年となる今も震災の経験を教訓として伝え続けています。その2人が胸に深く刻んだ思いとは?

14年前の"後悔"

元気仙沼警察署長 佐藤宏樹さん:
「私が署長だった頃に津波がきたが、なぜもっと多くの方々を助けてあげられなかったのか。それを考えると胸をかきむしられるような思いがする。全力をつくして対応したつもりでしたがすべての方々を助けることはできなかった。今でも心残り」

涙をにじませ、震災での後悔を口にした当時の気仙沼警察署長、佐藤宏樹さん(63)。佐藤さんは2月15日、津波で被災した気仙沼向洋高校の旧校舎を初めて見学しました。

元気仙沼警察署長 佐藤宏樹さん:
「保健室と比べて天井貼り付けた部分もすっかり無くなって。窓が大きいから余計威力が増したんでしょうね」

震災で気仙沼市は1434人が犠牲になるなど甚大な被害を受けました。佐藤さんは、2011年2月に気仙沼署長に着任。そのわずか1か月後に起きた震災で指揮を取りました。

元気仙沼警察署長 佐藤宏樹さん:
「結局道路はない。道なき道を署員たちは、歩いて捜索活動・救助活動にあたっていた。署員は三日三晩不眠不休で頑張ってくださった当時の署員を戦友と呼んでいる。本当に頭が下がる思い」