■制限はほぼ“コロナ前”に…水際対策緩和で“インバウンド”“爆買い”に期待


10月11日から水際対策も大幅に緩和されました。1日当たり5万人の入国者数の上限が撤廃されたほか、訪日観光客については、ビザの取得を免除。個人の旅行も解禁されるなど、制限はほぼコロナ禍前の状態に戻った形です。

マレーシアからの観光客:
新聞で日本はきょうからビザが不要になったと書かれていて本当にうれしいです。夫が富士山を見に行きたいと言っています。

フランスからの観光客:
2年ぶり、めっちゃうれしい。本当に幸せ。友達に会う、美味しい食べ物を食べる、旅行するね。

地域経済にとって重要な柱のひとつは、“インバウンド需要”です。大阪市内の百貨店では、コロナ禍で減らしていた免税カウンターを増やしました。

高島屋大阪店 担当者:
元々1台をだったところを2台に増やし、お客様を受け入れる体制を整えています。

円安の影響もあり、ブランドのバッグや時計などが人気だといいます。

京都市内にある家電量販店では免税対応の案内や商品説明の張り紙など、外国語表示を増やすなどの対応をしています。この店は、コロナ禍の去年5月にオープンしたこともあり、今回の水際対策緩和を受け、外国人観光客の“爆買い”に期待を寄せています。

外国人向けに充実させたのは、“家電”だけではなく…


エディオン京都四条河原町店 マネージャー:
観光客が増えることを見込んで今回新たにキャリーバッグを導入しました。

東京・港区の結婚式など行う老舗の宴会場では、国際会議や外国企業のパーティーの運営を新たな事業の柱としようとしています。

八芳園 統括支配人:
別館を一軒まるごと貸し切りの会場でパーティーを行っていただく。

水際対策緩和によって海外からの問い合わせが1.5倍ほど増加したといいますが、一方で、懸念も。

八芳園 統括支配人:
例えばマスクにしても海外のお客様と日本で働くスタッフの温度差をしっかり整えていくということに関しては、我々事業者だけで解決できる問題ではない。

加藤厚生労働大臣は、海外からの観光客にもマスクの着用などの感染対策を求めています。

■K-POP人気 韓国はインバウンド好調 一足先に水際“緩和”


屋外でのマスク着用義務が解除された韓国。その韓国でも、日本への旅行に熱い視線が注がれています。


ソウルにある旅行代理店では日本への旅行予約が5倍以上に急増。水際対策の緩和に加え “円安”が人気を後押ししていると言います。
 
韓国の旅行代理店:
以前から日本に関心のあった客の需要が、入国手続きの緩和で高まったのだと思う。円安もかなり進んでいますし。

一方、日本より一足先に水際対策を緩和した韓国ではインバウンド消費も好調です。K-POPアイドルのコンサート会場には海外から来たとみられる観客の姿も目立ちます。


日本からの観客:
(韓国に)着いた後のPCR検査もなくなったので、来やすかった。帰りも楽なので良かった。

日本からの観客:
コンサートなどちょっとしたことでも、(ビザなどを)色々準備することなく来れるのですごく嬉しい。

韓国はK-POP人気などを武器に外国人観光客を取り込んでいて、インバウンドに期待を寄せる日本は「後れをとった」とも指摘されています。

こうした中、日本政府はインバウンドの回復に向け、関西万博や世界陸上など大型イベントが控える2025年までに集中的な取り組みを行う方針を決定しました。日本の巻き返しとなるのでしょうか。