アメリカのトランプ政権は第2次政権で初めてとなる閣議を開きました。トランプ氏は閣僚ではないイーロン・マスク氏を同席させ、ムダ削減の成果を称えました。

第2次トランプ政権発足後、初めての閣議。国務長官や国防長官ら22人の閣僚がいましたが、主役となったのは…

アメリカ トランプ大統領
「イーロン、今、何をしていて、無駄をどれだけ削減しているか説明してくれないか」

閣僚ではなく、「政府効率化省」を率いる「特別政府職員」のイーロン・マスク氏です。

イーロン・マスク氏
「私は“謙虚なテクニカル・サポート”と名乗っています」

マスク氏は胸に「テクニカル・サポート」とプリントされたTシャツを見せながら、自身の仕事は「連邦政府の古いコンピューターシステム」の改革を進めることだと説明。「ムダ」の削減の必要性をこう強調しました。

イーロン・マスク氏
「政府効率化省の目標は、政府の巨額の赤字に対処する手助けをすることだ。ここのままではアメリカは破産する、だからやり遂げなければいけない」

マスク氏は政府の年間の支出のおよそ15%にあたる「1兆ドルを削減できる」と自信を示しました。ただ、足もとではほころびも…

『政府効率化省』を辞職した職員ら
「政府の中核システムなどを危険にさらしたり、重要な公共サービスを解体したりするために、自らのスキルを使うつもりはない」

アメリカメディアによりますと、「政府効率化省」に勤務していた技術系の職員ら21人が25日、一斉に辞職しました。連邦政府職員の大幅な削減など、マスク氏の強引な手法に抗議の意思を示したかたちです。

マスク氏はほかにも、230万人を超える連邦政府の職員全員に「業務の成果を報告しなければクビ」だと通告し、複数の省庁が職員に回答しないよう求めるなど混乱が広がりました。

こうした状況を意識したのか、マスク氏は閣僚を前にこんな発言も…

イーロン・マスク氏
「閣僚の皆さんのサポートがあってこそ仕事ができます。皆さんに感謝します。我々は間違いもします。完璧ではありませんが、間違えたらすぐに改めます」

ただ、トランプ氏は今後もマスク氏を重用し続ける構えです。

アメリカ トランプ大統領
「ここにイーロンに不満のある人はいるか?もしいれば、ここから追い出すぞ」

閣議のあと、トランプ氏は「政府効率化省」のもとでさらなるコスト削減を進めるよう各省庁に求める新たな大統領令に署名し、改めて「マスク流」の改革にお墨付きを与えています。