東京電力が夏までの再稼働を目指す柏崎刈羽原発の7号機。テロ対策施設の完成が大幅に遅れ、仮に再稼働できたとしてもすぐに運転を止めなければいけなくなりました。
27日午前、柏崎刈羽原発で開かれた所長の定例会見。
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「我々でもやったことのない工事で非常に大規模。なかなか工程を見通せる状態が来なかった」

そこで発表されたのがテロ対策施設の工事の遅れです。
この施設は故意に航空機を衝突させるといったテロ行為があった場合にも、遠隔操作で原子炉の冷却などができるようにするもので、新しい規制基準で設置が義務付けられました。

7号機は今年10月までに設置しなければならず、東電は当初、来月の完成を目指していましたが、工事の人手不足などを理由に「2029年8月」に延期することを決めたということです。

工事の遅れは東電が描く運転計画に大きな影響を及ぼしそうです。東電は再稼働のトップバッターとして、7号機で先行して準備を進め地元の同意を待つばかりとなっていました。

しかし、仮に再稼働したとしてもテロ対策施設が完成していないため、10月には運転をすることができなくなるのです。それでも東電は…
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「安全性を確認をしっかりしたいという点と、東日本の特に夏場の(電力)需給に貢献したいという意味で、7号機から立ち上げたいという思いに変わりはない」

「県民の理解が大前提」とした上で、夏までの再稼働に意欲をにじませました。
7号機の再稼働について、容認する姿勢を示している柏崎市の桜井雅浩 市長は…
【柏崎市 桜井雅浩 市長】「私が考えていたよりもはるかに長い遅い期間なので、非常に残念」

一方、同じく再稼働の準備が進む6号機。こちらも施設の完成が遅れる見通しですが、7号機よりも工事計画の認可が遅かったため施設の設置が2029年の9月まで猶予されていて、再稼働した場合はその期限まで運転できます。

「地元同意」の鍵を握る花角知事は…
【花角 知事】「再稼働の議論というのは、柏崎刈羽原子力発電所と新潟県民がどう向き合うかという議論であって、何号機とかそういう議論は本筋の議論じゃないと思う」

このように述べ、「再稼働の議論に直接の影響はない」との見方を示しました。
原発再稼働はいつになるのでしょうか?そして、どの原子炉が最初になるのでしょうか?