最期に本名を明かした理由とは…

桐島容疑者は2024年1月、路上で動けなくなり病院に運ばれた。

桐島容疑者
「桐島聡です。最期は本名で迎えたい」

末期の胃がんだった。 死の間際、いくつかの事件への関与を認めたという。

桐島容疑者が、最期に本名を明かしたのはなぜだったのか。

宇賀神氏
「名もない内田という人が死んだんじゃなくて、 桐島聡として自分は生きて、内田として装いながら生きてきたと知ってほしかった」

男性も思いをめぐらせた。

店長の男性
「彼はまじめな性格だと思うので、最後は自分でけじめをつけたような気もする。(事件への)謝罪の意味も込めて、内田洋が桐島聡を名乗ることによって、桐島聡を抹殺したような気がする」

宇賀神氏は、桐島容疑者が暮らした建物を初めて訪れた。

──50年という月日を感じるか?

宇賀神氏
「感じるかな。トタンのサビやなんかで。(自分は)過ちというか、やってはいけない戦い方をしてしまった。それが分かってきた」

ーー同じように桐島も感じていた? 

宇賀神氏
「当然そうだと思います。彼の付き合ってきた人たちを見ると、(私の思いと)それほどの違いはない。やっぱり彼の思いを知りたいですね。知りたかったですね」

桐島容疑者の部屋には、1枚の紙が残されていた。手書きで記されていたのは、哲学者の言葉だった。

「後を向けば人生を理解できるが生きるには前を向くしかない」