低コストで生成AIを開発した中国の新興企業「DeepSeek」。急速に存在感を増す中、その波は創業者の地元の小さな村にも及んでいます。

上海できょうから始まった最先端のAI技術の展示会。参加者が注目しているのは…

AI関連企業で働く人
「うちの会社は『DeepSeek』と連携しています。最高の商品で、世界中で反響がありました」

新興企業「DeepSeek」は低コストで生成AIを開発したことで世界で一躍注目の的となり、創業者・梁文鋒氏は先日、習近平国家主席との懇談会にも招待されました。

急速に存在感を増す中、その波は南部・広東省にある小さな村にも及んでいました。

湛江市にあるこの村は創業者・梁氏の故郷です。そこには…

記者
「ふるさとと言うことで、“DeepSeek”と名前の書かれたレモンティーが販売されています。便乗してますね」

ブームに乗る商魂たくましい村民の姿がありました。

“DeepSeekレモン茶”を販売
「今年の初めから始めたの。(商売は)いい感じよ。遊びでやってるんだけどね」

記者
「すっぱっ。上海や東京で飲むものと、さほど変わらないといった感じです」

DeepSeekの人気にあやかった「焼き鳥」も。旧暦の正月「春節」に梁氏が帰省したことをきっかけに突如、賑わいだしたといいます。

 梁氏の故郷の村民
「(梁氏は)村の誇りだよ、とても興奮しています」

そして村一番の“人気スポット”となっているのが…

記者
「ここが梁氏の実家ということですが、すごいですね、人が集まっています」

撮影中、梁氏の実家を出入りする人の姿が。ところがこの人たち、観光客でした。

観光客
「中には入れさせてもらえなかったわ」

こうした観光客はDeepSeekについて、どこまで理解しているのでしょうか。

観光客
「(Q.何を開発したかわかりますか?)なんだっけ…、アイ・ビーなんとか?アイ…アイフォンだっけ?」

一方、子どもの頃から梁氏の友人だという男性に話を聞くことが出来ました。

梁氏と同郷の先輩
「中学時代にバドミントンをよくしました。彼は上手でしたよ。数学の課題がたくさんありました。ネットが発展していなくて、スマホもありませんでしたが、彼はすぐ解いてくれました」

ただ、DeepSeekは生成AIの開発に当たり、データを不正取得した疑いが指摘されているほか、個人情報の取り扱いを懸念する声が各国から上がっています。

良くも悪くも注目が集まる中、あす、上海のイベントではDeepSeekのワークショップが予定されていて、こちらにも熱い視線が注がれそうです。