2022年に新潟県の県北地域を襲った豪雨災害で甚大な被害を受けたにもかかわらず、1人の犠牲者も出なかった村上市の小岩内集落。
奇跡と呼ばれた当時の避難の様子などを題材にした絵本が完成しました。

絵本の名前は『小岩内のきせき』です。

3年前に起きた県北豪雨の教訓を後世に残すため、村上市が新潟デザイン専門学校(新潟市)に依頼して作成した絵本です。

2022年8月の集中豪雨で小岩内集落では土石流が発生。
住宅6棟が全壊しましたが、住民全員は迅速に避難。
犠牲者は1人も出ませんでした。

【小岩内集落 松本佐一 元区長】「奥の方に砂防ダムが見えるけど、あの間を長い流木が流れてきた」

絵本の制作を前に生徒たちは現地を訪れ、当時の区長らから豪雨の状況や集落の被害について話しを聞きました。

「話を聞いたからこそ、私たちの絵に、そして文章やセリフなどにこだわって最後までやり遂げられた」

生徒たちが心がけたのは、災害の悲惨さだけを伝えるものにしないということ。

「こんなことがあったってことを知ってほしいし、誰かと助け合ったりとかを学んでほしい」

こうした思いから絵本には、迅速な避難行動をとった当時の集落の人たちの状況に加え、人のつながりの大事さも描かれています。

絵本を完成させた生徒は18日、小岩内集落の住民と村上市の高橋邦芳市長に贈りました。

【小岩内集落の人は…】
「子どもたちに感じてもらって、それがつながっていくよね絵本は」

本は350冊作られ、県内自治体や村上市の小・中学校などに配布される予定です。