自閉症のアーティスト石村嘉成さんの半生を描く「新居浜ひかり物語青いライオン」の上映が今月(2月)14日から愛媛県松山市でも始まり、舞台挨拶が行われました。

舞台挨拶では、嘉成さんの今の活躍に欠かせない粘り強さを育んだある女性が亡くなったことが伝えられました。

石村嘉成さんの「恩人」が10日に急逝

松山市のシネマサンシャイン衣山での公開初日(14日)、石村嘉成さんの父、和徳さんが舞台挨拶で語りました。

(石村和徳さん)
「息子を救ってくれた恩人なんですけど、きょうの映画の中にも出てきます。その先生の教えがあって今の嘉成があります。檀ふみさんが演じてくださっている河島先生が10日に亡くなりましてご葬儀に行って参りました。日本の自閉症療育にとって、ものすごい方を亡くした」

2歳で自閉症と診断された石村嘉成さんを「叱らないけど譲らない」という療育方針で導いた河島淳子さん。今月10日、83歳で亡くなるまで、自閉症の療育に力を注ぎました。

昨年5月、岡山市北区で開かれた石村嘉成さんの展覧会で、河島さんはこう語っていました。

「(嘉成さんを)誇りに思っています」

河島さんが療育を導いた一人、石村嘉成さんのアーティストとしての活躍もあって、近年その功績が注目され、活躍の場を広げ始めた矢先のことでした。
講演会の依頼も増え、河島さんは独自の療育について、こう語っていました。

「嫌がっていても押さえつけてでもするべきことをさせて『ああ分かった』と子どもが喜ぶまでもっていっている。その子どもを救いたいという思いで、一心でやっている」