核兵器使用でNATOが反撃か…モスクワ在住の日本人にも動揺広がる

ーープーチン大統領にとって、核兵器の使用は既定路線だと?
「ウクライナのゼレンスキー大統領がNATOに対して『もう今まさにロシアが核を打とうとしている』と言っていると報じられていました。一方でモスクワの人たちははどう思ってるいるのかというと、モスクワでジャーナリストをやっている私の学生に聞くと、モスクワにいる日本人たちも、実はロシアが打ったときに『NATOからの反撃があるかもしれない』『その時にモスクワが狙われるかもしれない』ということで、すぐに国外脱出できるよう飛行機のチケットを毎日毎日、予約を繰り返してるという状況です。モスクワにいる日本人の中にも動揺が広がってるというふうに私に訴えていました」

ーーロシアの核使用は駆け引きなんじゃないかという意見もありますが?
「プーチン大統領が進める核使用への地ならしなんじゃないかということですね。『核使用を求める』チェチェン共和国カディロフ首長を軍のナンバー3に登用するということですね。カディロフ首長は今回、ロシア軍の軍事侵攻は失敗だったと思うと明言しています。だから僕らには、戦術核を使うべきだということを盛んに言ってるんですね。その人の地位が上がったということで、実はロシア世論の中で核使用は世論作りの方向にこういう人たちの発言が繰り返されて、もちろんカディロフさんだけじゃなく、プーチン大統領の周りを囲っている有力な政治家たちもどんどんそういう発言をしてきてるわけなんですね」

ーーザポリージャ原発を巡る攻防が激化しています。ロシアが一方的に「管理下」に置く、そしてウクライナが奪還を試みれば、ロシア本国への攻撃と同一視し、そして原発への核兵器使用の可能性もあるということです。
「これが本当に今ニュースになっているんです。ウクライナは原発を取られてるわけですが、ウクライナ軍は450名の最強の兵士たちを派遣するようにしたという報道が出ているんですね。それに対してプーチン大統領はこの原発を国有化したと言ってるんですね。ですから、そこに対するウクライナの奪還はロシアの国家主権かの話ではなく、国有化したとこですから、ロシア国家そのものをウクライナが狙い抗議してきたとロシア側が捉える。それに対して戦術核でもってこの原発を仕返しとして打つかもしれない」

軍服150万着が突如消える…派遣できないためのクーデターか


ーーロシア軍の現場ではクーデターの予兆があるということですがどういうことでしょうか?
「軍服が軍の倉庫から消えたという話が出てきているんですね。私の想像ですが、1、2人の兵士でこの150万着をどこかに隠すということはまず考えられないんですね。そうすると今ロシアの軍の中で反戦の組織・グループが今できつつあるんですね。さすがにプーチン政権やってることはまずいということで、例えば軍人たちが今回の侵攻でロシアが勝てないというメッセージをどんどん出している状況ですね。プーチン大統領は動員令をかけたんですけども、それに対する志願兵が集まったとしても、軍服を隠すことで、実質は動けないようにして派遣できないようにする動きがあるんじゃないかと」