「コメを譲って」農家の元に業者が続々と直接買い付け
井上キャスター:
JAなどを通さないルートは多様化・細分化しているようです。

茨城・つくば「夢田ファーム」の海老澤信之代表は「スーツの人が突然『コメを譲って下さい』と訪ねにきた」といいます。
茨城県内で焼き肉店などを展開する人で、合計30トンを約1200万円で現金取引したということです。

千葉県のコメ農家は、「2024年の秋、中国の人が突然『中華街でコメを売りたい』と訪ねてきた。怪しかったので取引はしませんでした」といいます。
このような取り引きでどのくらいコメは消えたのでしょうか。

五つ星お米マイスターの小池精米店 小池理雄さんは「大手外食チェーンが高く大量に買い付けているという話を聞いた」「感覚的には40万トン~50万トン消えているのでは」としています。
宇都宮大学 小川真如助教:
生産量が増えている一方で、集荷量が減っている状況。増えた生産量と減った分を単純に足し合わせると、『18+21=39万トン』という形になります。
実態がわからない部分もあるので、不安になる数字かなと思います。
井上キャスター:
備蓄米放出では間に合わないということですか。
宇都宮大学 小川真如助教:
私は、備蓄米の放出はある程度効果があるとみています。
消えたコメ21万トンは、2024年の生産量のわずか3%ということですが、生産量がたくさんあっても事前に行き先が決まっていたりします。
『行き先が決まっていないコメが多くない』という点がコメ不足のポイントだと思うので、備蓄米によってそういったコメが増えるのではないでしょうか。
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<プロフィール>
小川真如さん
宇都宮大学農学部 助教
国内の農業・農学を中心に幅広く研究
コメの流通に詳しい