「自分以外はみんな悪い宇宙人」

医療審判の傍聴で分かったことがある。

「娘の事件を起こした加害者は、複雑な家庭環境で育っていました。高校を中退して引きこもりになり、ある日家を飛び出し、路上生活者になって、支援団体の施設で暮らしていたそうです。

加害者は、強い妄想など重い精神障害があり、症状を抑える薬を飲んでいたようなのですが、薬を飲んでいれば、おとなしい人だったのでしょう。」

「施設を出て一人暮らしをしたいと強く望んで、事件の2か月ばかり前に支援施設を出て、娘のマンションの下の階に住み始めました。でも一人暮らしになり薬を飲まなくなり、そうやってまた妄想の世界に入ってしまう結果となり事件が起きてしまったそうです。

自分以外はみんな宇宙人だと思い込み、とにかく悪い宇宙人をやっつけるんだと行動に出た。

何も分からず犯してしまった加害者に対して、まともに感情をぶつけることもできず、それ以上恨みようがありませんでした。」