国会では細田議長、山際大臣への追及が続く中、旧統一教会問題に関して被害者の救済と法整備が急がれている。そんな中、これまで様々な点で水と油だった立憲民主党と日本維新の会が連携しようとしている。わずか2か月あまりの臨時国会で、旧統一教会問題に何らかの進展はあるのか。与野党の幹部を招きそれぞれの思惑を聞いた。

■「今まで受領証をまったく発行してなかったことが分かった」

旧統一教会が会見を開き、改革案を提示した。問題とされている高額献金について、「献金は月収の3割を基準とし、それを超える場合は受領証を発行し返金要求に対応する」とした。
しかし、「信者には自由意志があるので献金に上限を定めるのは難しい」とした。
この改革案を受けて与野党の幹部はこう話す・・・



日本維新の会 馬場伸幸 代表
「今まで旧統一教会が行ってきた活動を見ていると、(この改革案も)信用できないですよ。3割を超えたら受領証を、とありますが、我々の改革案では1円から寄付金については領収書を発行して、寄付した方も記録を残して双方からいつでも確認できるようにする・・・」



自民党 若宮健嗣 幹事長代理
「私も不十分だと思う。今まで受領証をまったく発行してなかったことが分かった。(中略)本人だけでなくご家族の意向を踏まえた上でということも必要かと・・・」

この改革案が信用できるかできないかもあるだろうが、そもそも月収の3割は多すぎないか。いくら自由意志とはいえ・・・。やはり国が確固たる姿勢を示すべきではないだろうか。

政府の方針としては、消費者庁の霊感商法等の対策検討会で悪質な献金要求を禁止するなど新ルールを作ろうとしている。一方、法務省では関係各省と連絡会議を設け、被害実態の把握に努めているというが・・・

■「救済する気があるんですかね、国は・・・」

被害者救済に向けての政府の動きを、当の被害者はどう見ているのか、旧統一教会の元信者で9年前に脱会した女性に聞いた。

元信仰1世 Aさん(2013年脱会)
「遅いですね。もう30年前に統一教会が騒がれた時にどうしてやらなかったのかっていう。あの時に法整備しないでずるずるいって、その間に被害者がたくさん出て、私もその一人です。あの時やってくれてたら私は統一教会に入ることはなかったかもしれない・・・(中略)問題が出て何か月もたって、全然何も進んでないし、スピードは遅いし、やる気があるのかなぁって。救済する気があるんですかね、国は・・・

この切実な声を聞いて、被害者救済を検討する党の小委員会委員長を務める若宮幹事長代理は言う。



自民党 若宮健嗣 幹事長代理
「金銭トラブルに関しましては、私どもは立法府でありますから、どういった被害なのかは最終的には裁判所の判断を待って、これはこういった損害賠償が・・・(中略)人それぞれ全部違うので一緒くたには・・・」

要するに金銭のトラブルはひとつひとつ事情が違うので、状況把握に時間がかかるというが、やはり言い訳のように聞こえてしまう。年内には少なくとも一定の方向を出して政府に提言を・・・と若宮氏は消費者問題調査会の初会合で語っている。が、そもそも今月に入ってから初会合が開かれたこと自体遅すぎる。

こうした政府と与党の動きに対して、野党の中でも水と油だった立憲民主党と日本維新の会が、この問題に関しては歩調を合わせようとしている。