「古米を混ぜるとシャリが美味しい」 古米の利用はお寿司屋さんでも

日比キャスター:
古いコメは意外なところでも使われています。それが「お寿司屋さん」です。

東京・台東区の「浅草・すし賢」では、精米店が厳選した新米・古米を配合したものをシャリに使用しているそうです。

浅草・すし賢の牧俊宏店長は「新米だけだと水分量が多くシャリがびちゃびちゃになる。古米を混ぜることで、お酢を程よく吸いこみシャリがおいしくなる」と話しています。

「古米だと少し臭いがあるんじゃないかな」という不安が消費者もあると思うのですが。

加谷珪一さん:
私は米どころ出身なんですが、古米は変な香りはないですけど、新米の方がいい香りはするので、バランスかなという感じはします。

日比キャスター:
これは消費者側の協力や捉え方が本当に大事になってくるんじゃないかなと思うんですね。

加谷珪一さん:
90年代までは政府が税金を投じて価格を安定させる「食糧管理制度」をやっていました。その後は自由市場に任せるということになっていますので、このやり方が「良い」のか「悪い」のかも含めて、どういう管理のあり方がいいかということを、今回のことをきっかけに国民的な議論を進めた方がいいんじゃないかなと思います。

日比キャスター:
議論のタイミングが今ようやく来たという感じですかね。

斎藤幸平さん:
今までが安すぎたということですね。生産者は作れば作るほど赤字という状況でしたし、これから高齢化や人手不足、気候変動もある中で、どうやってこの主食を守っていくかということを私達も含めて考えなければいけないと思います。

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<プロフィール>

加谷珪一さん
経済評論家 元日経BP記者
著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も

斎藤幸平さん
東京大学 准教授 専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破