コメの価格高騰を受け、農林水産省は備蓄米21万トンを放出する方針を正式に発表しました。早ければ3月下旬にも備蓄米が店頭に並ぶ見通しです。

(江藤拓農林水産大臣)「流通が滞っているこの状況をなんとしても改善したいという強い決意の数字」

備蓄米は全体で100万トン程度ありますが、農水省はそのうち2割にあたる21万トンを市場に放出する方針です。コメの流通の円滑化を目的に政府が備蓄米を放出するのは初めてです。農水省の調査では、コメ5キロの店頭平均価格は去年初めには2030円だったのが、年末にはおよそ1.7倍になっています。

(街の人)「上がりかけた去年放出しておけばよかった。国民目線になっていない」「あまりにも高すぎるので元に戻ってもらうことを一番願っている」

米穀店からは備蓄米放出に安堵の声が聞かれました。

(山川米穀店・山川富弘さん)「先はどうなるかは初めてのことで見えませんが、よかったと素直に思う」

山川さんは去年10月から値上げに踏み切ったため、早く元の価格で提供できるよう、コメの流通量の増加に期待しています。

(山川米穀店・山川富弘さん)「アナウンス効果で持っていたら売り抜けないと思って投げる人がいる、その期待なんです。肌感覚に合わないお米の値段なんです。下がってくれればいいなと思います」

備蓄米は入札で売り渡され、早ければ3月下旬にもスーパーなどの店頭に並ぶ見通しです。